2013年4月18日木曜日
三国連太郎、「鷲と鷹」という映画、恵比寿通りに面したトキワ荘アパート、サッポロビール工場(恵比寿ガーデンプレイス)、長寿庵のカツ丼。
数日前に三国連太郎さんが亡くなった。ほとんどの人は知らないと思うが1957年公開の石原裕次郎さん主演の「鷲と鷹」という映画に三国連太郎さんが出ていたのを観て、三国連太郎という俳優を知った。田舎から出てきて、最初に住んだのが恵比寿通りに面したトキワ荘アパートである。現在の恵比寿ガーデンプレースはサッポロビール工場の跡地にあるが、半世紀前はトキワ荘アパートの近くからサッポロビール工場の入口へ通じる道路があった。その道路は高級住宅街を抜ける上りの坂道で、途中に長寿庵という大衆食堂があった。貧乏ではあったが大学の3年生ぐらいから、奨学金をもらい、家庭教師のアルバイトをして少し懐に余裕ができた。その頃の楽しみは月に一・二度、その長寿庵のカツ丼を食べることであった。ある初夏の午後二時過ぎに日差しが強い坂道を登って長寿庵にカツ丼を食べに行った。昼食時でなかったので、クーラーの効いたガランとした店内に入って、カツ丼を頼んだ。カツ丼を夢中で食べていると、誰かが店に入ってきて「天ぷらそばを下さい」と言った。しばらくすると、十六・七の女店員が色紙を持って「天ぷらそば」を頼んだ客のところに行った。カツ丼を食べながら、そっと振り返ると、三国連太郎が色紙にサインをしていた。
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