五味洋治さんが書いた金正男(キム・ジョンナム)独占告白の「父・金正日と私」を読んだ。そんなに劇的な話でもなく、驚くほどの内容でもないが、北朝鮮というベールに包まれた国の最高権力者の長男とのやり取りは引き付けるものがあった。たぶん、金正日の信頼を得た五味さんが脚色なしで、メールのやり取りとインタビューをそのまま本に書いたのが良かった。読後の感想としては、北朝鮮の人々が哀れであり、現在の体制を維持することに疑問を感じた。また、「リビアは核兵器を含む大量破壊兵器を放棄したので、カダフィ政権は崩壊した」と北朝鮮は思っているようだ。だから北朝鮮が核開発をやめることはない。そして、悲しいかな、ある意味で、それは正しい。核兵器を持ってしまった国(パキスタン、インド、中国などの政権)に対して、米国は圧力を掛けない。
北朝鮮の一握りの権力者は、ライオンの背中に乗っている独裁者と同じで、その権力の座から降りたら民衆(ライオン)に食い殺されると思っているようだ。
しかし。現体制がそんなに長く続くとは思えない。なるべく少ない犠牲で普通の国になってほしい。
僕の期待は、金正男が北朝鮮を普通の国にソフトランディングさせる権力者でなく、指導者なることである。大変甘い夢ではあるが・・・。
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